半月板損傷の痛みの多くは、筋肉の柔軟性や、体の使い方のクセを改善することが、
改善の近道であり、再発防止につながります。
そのためにセルフケアは有効な方法ですが、継続的に行うことが必要です。
そのために、痛みを起こしている原因を知っていただき、最適な方法をご紹介いたします。
1.セルフケアでどう変われる?
ご自身で行えるセルフケアは、手軽に、毎日続けて行えることができる、
体にとって、とても有益なものです。
半月板損傷のためのセルフケアは、半月板そのものを修復できるものではありませんが、
偏った半月板への負担を減らすことで、以前の様に普段の生活を送ることができたり、
運動を楽しめるケースはあります。
今回は、セルフケアでどのように体が変化するのかお話いたします。
1-1.痛みの軽減
半月板損傷は、膝を曲げたり、片膝に重心をかけようとすると、
痛みや引っかかり感が特徴的な症状です。
時には、倒れこむほどの激痛を感じることもあるくらい辛い痛みを伴います。
半月板損傷の痛みの原因は、半月板への偏った、あるいは過剰に負担がかかったことで、
体のバランスが損なわれたことがその多くの原因であると多くの患者さんを診てきてそう思います。
(詳しくは後でお話しします。)
体のバランスを整えるうえでもご自身で行うケアは有効です。
セルフケアをすることで、より多くの膝に関わる筋肉を動かすことができ、
膝への荷重が均等にすることができます。
ある一部の筋肉が優位に動くような一部だけに負担をかける動きが減るので、
痛みを軽減することが可能になります。
1-2.動かし方がわかる
セルフケアをすることで体の感覚が以前より良くなる方は多くいらっしゃいます。
今まで無意識だった体にとって負担をかけるような動作や、負担が積み重なる前に
ブレーキを自分でかけられるようになり、再発防止にもつながります。
また、長年ランニングをされている方からは、痛みが無くなったことと、
全身を使って楽に走れるようになって、「レースで自己ベストを出せるようになりました。」
などの報告も頂いています。
ランニングや歩くことは、いろんな筋肉を使うことで、
負担を分散して効率よく動かすことができます。
例えば、歩くときは、太ももが前後に真直ぐ動くだけではなく、
骨盤も前後に動きます。
httpsprint-condition.infoより出典
骨盤の前後運動は、股関節周辺の筋肉がしっかり働くことで、
全身による歩行やランニング動作ができるのですが、
股関節周りの筋肉が硬くなり股関節の回旋が上手くできなくなると、
それ以外の膝に負担がかかり、歩行やランニングで痛みにつながる可能性が大きいと思われます。
httpsbukiya.netより出典
ですので、半月板損傷のセルフケアでは、股関節を柔軟にすることは欠かすことの
できない大切な部位になります。
1-3.体の状態がわかることで再発防止を防げる
痛みは、それまでの体への繰り返してきた無理や、無理をしてきたことに気づけなかった
結果であると考えています。
セルフケアをすることで、膝の痛みを軽減するとともに、毎日、痛みのない範囲で動かすことで、
徐々に体の状態を感じ取る力が養われて、良い感覚や良い状態が分かるようになってきます。
それは、ご自身への体への気づきであり、半月板損傷の痛みが無くなった後でも、
その気づきが「これ以上やると負担かかるな。」とか、「今の動きは膝によくないな。」
など、無理の回避となり、膝をより良い状態にすることにつながっていきます。
つづきは、半月板損傷改善のために必要なセルフケア(その2)
からだ は たから だから
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