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腱鞘炎の経験から育児をもっと楽しめるようになったSさん

Sさんは、生後3か月のお子さんのいる新人ママさんです。

ご結婚されてしばらくお子さんができなかっただけに、

待望のお子さんの誕生にご夫婦ともに喜んでワクワクの子育てが

始まるはずだったのですが、手産後から親指の付け根に

違和を感じるようになって、その後不意にお子さんを抱っこした時に、

手首から親指先に激痛を感じたそうです。

 

それからというもの、包丁で野菜を切る時も痛みを走り、

お箸を持つことも字を書くことも辛くなっていき、

ついに病院へ行くことになりました。

 

病院での検査の結果、お医者さんから“腱鞘炎”と診断されました。

「しばらく薬やシップで様子を見て、痛みが辛いようだったら

手術も考えていきましょう。」とお医者さんから言われました。

 

「授乳中でも影響のないお薬出しときますね。」と言われたものの

Sさんは、お母さんが以前お薬での副作用に苦しんでいたことがあり、

飲まなかったそうです。

 

「出来るだけ安静に。」と言われても子育ては待ったなし

Sさんもご主人さんも実家は遠方にあるため、

親に頼れず症状はどんどん悪化してしまいました。

 

薬や手術をせずに腱鞘炎を治せないものかと、

評判の治療院へ何件か行ってみましたが中々改善がみられず、

インターネットでたまたまこちらを知り来られたそうです。

 

初めて来られた時に「痛みをこらえるあまり、

眉間にしわを寄せて子どもを抱っこするのは辛すぎます。」と

涙を浮かべてお話しくださいました。

 

 

 

Sさんは、とても責任感が強くまじめな方であることが

お話をお聞きする中で感じられました。

お仕事では、新人を教育するようなリーダー的なポジションにいたそうで、

今は育児休暇のため家にいますが、同僚や上司から相談の電話が来るほど

信頼をされている様子が伺われます。

 

Sさんの指の状態は、痛みで親指を完全に曲げることができず、

手で触れるだけでも痛みを感じるほど過敏な状態にまでなっていました。

 

私のところには腱鞘炎の患者さんが多く来られますが、

共通する原因の一つに指や手首の動きに関わる筋肉が硬くなることで

痛みを起こす原因になっていて、それらの筋肉を柔軟にすることで、

腱や腱鞘の負担を軽くして以前のような状態に戻っていきます。

 

 

Sさんも硬くなった筋肉を柔軟にすることで、

徐々に痛みは引いていくのですが、3回通院して、

最初の痛みが10だとしたら5から停滞気味になってしまいました。

 

Sさんの普段の生活の様子を聞くと、指や手首に負担をかけていることが見えてきました。

Sさんは、先ほども触れましたが責任感の強い方です。

ご本人からも、常に完璧を目指してしまう傾向があると話してくれました。

 

育児休暇で、仕事を休むことや収入が減ってしまう罪悪感がどこかにあって、

「良い妻であり、良いママでなくてはいけない!」という気持ちが強くあり、

Sさんお一人で頑張ってやってきたそうです。

 

病院へ行くと腱鞘炎は手の使い過ぎが原因と言われることが多いのですが、

実は性格の要素も大いにあり、それが体の使い方に影響を与えることがあります。

 

Sさんの様な頑張り屋さんは、腱鞘炎の患者さんには多く、

常に何かをしていないと気が済まず、休むことが罪悪感で、

お風呂に入っている時もお布団に入っている時も、

次にやることを考えていることが多いようです。

そのような時に体に起きていることは“緊張”です。

体を動かしている時はもちろんですが、行動を起こそうと

準備している時も体は筋肉を硬くしてすぐに動けるようにしているのです。

 

適度にリラックスする時間を設けることができればいいのですが、

無意識のうちに緊張が続くと硬くなった筋肉が血管や神経を悪化して、

体の動きを悪くし痛みやしびれなどの不具合を起こし始めます。

 

Sさんには、週一回の通院とともにお家では、

できるだけリラックスできる時間を設けるようにお伝えしました。

具体的には、ご主人さんにお手伝いしてもらうことです。

 

Sさんは「はい。」とやや曖昧な返事をされて帰宅されましたが、

次にこちらに来られた時は、「手がずいぶん楽になりました。」と

今まで見たことのないような笑顔で報告してくれました。

 

Sさんは、ご主人さんにご自身の今までの思いや辛さをお話しして

協力をお願いしたそうです。

ご主人さんは、以前からSさんを助けたいと思っていたそうですが、

何をしていいのかわからずにしたそうで、

進んでSさんの家事や育児を協力するようになったそうです。

 

ご主人さんが、食事を作ったり、洗い物をしたり、

お子さんと一緒にお風呂に入っている時に、

Sさんはゆっくりお茶をのんだり読書をしたり

リックス出来る時間を設けたそうです。

 

 

それから4回ほどの通院で痛みはほとんどなくなりました。

Sさんは、「以前よりご夫婦で家事や育児を楽しむことができて、

より家族の絆が深まったような気がしたきがします。」とおっしゃっています。

 

 

お子さんを、穏やかな表情で抱っこするSさんを想像すると私も幸せになってきます。

これからも、子育てを楽しんで素敵なご家族でいてくださいネ。

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