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手のしびれの症状と何科に行けばいいの?

こちらには、手のしびれや痛みで来られる方や、電話での問い合わせなども多く寄せられます。

 

しびれには、いろいろな症状が潜んでおり、病院を転々としてようやく症状が分かった

という場合や、中には緊急性を要する場合もあります。

 

ここでは、「このしびれって何?」「何科に行けばいいの?」など、

今までお問い合わせいただいた疑問を元に、しびれについて、理解を深めていただきたいと思い

作ってみましたので、ぜひ、読み進めてください。

1.しびれは体からのSOSサイン

”しびれ”は、痛みに比べると軽視されてしまう傾向があるようです。

 

しびれの相談をされる多くの方は、

「最初のうちは、多少は気になるものの、普段の生活は送ることができるからです。」

と、おっしゃいます。

 

 

 確かに、しびれは、正座や寝相が悪かった時に感じる、一時的な血行不良で起きるものも、

ありますが、神経や脳など生命を維持するために必要な機能に、支障をきたしている

場合にも、しびれが起きます。

 

神経には”情報のやり取り”をするはたらきがあります。

 

例えば、無意識に熱いヤカンを触れた時は、手から熱いとう情報を神経を介して送り、

反射的に手を引っ込めることができます。

また、意識的に「歩こう」と、する時も、脳から神経を介して脚に情報を送り、

歩くことができます。

 

しかし、命令を出す脳や神経のどこかに異常があり、神経の伝達ができなくなると、

しびれが現れる場合があります。

 

しびれは、「体のどこかが故障していますよ!」

「情報のやり取りができないよ!」と、

知れせてくれる大切なSOSサインです。

 

ですので、しびれを見逃さずに、早めの対応が必要となります。

2.しびれの場所とは別なところに問題があることも

神経の役割は“情報のやり取り”です。

それを、蛇口につないだホースで例えると、

蛇口は神経を通して命令を出す脳や脊椎で、ホースの先は手足などの末端部分です。

 

どこにも問題がなければ蛇口をひねれば、ホースの先から水は「じゃーじゃー」と、

スムーズに出ます。

 

でも、蛇口をひねり過ぎて蛇口元でホースが外れたり、ホースに亀裂が入ると、

水が漏れ出します。

また、ホースの外れも亀裂もなくても、ホースの途中のどこかを誰かが踏んずけると、

ホース先から水は「ちょろちょろ」しか出なくなります。

 

 水が出ない時は、「あれ?」と気づくと直ぐに原因を探って対策をします。

 

私たちの体では、しびれを通して気づかせようとしてくれています。

どこかに問題があると“しびれ”というSOSサインで、「どこかに問題ありますよ!」と、

教えてくれるのです。

 

放っておかずに、早めに対処することが、症状の進行を防ぐためにも、何より早期回復の

第一歩になります。

3.手のしびれにはどんな症状があるの?

それでは、手のしびれにはどのような症状が考えられるのでしょうか。

 

これからお話いたしますので、ご自身の状態と照らし合わせながら、

ご覧いただければと思います。

1)脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)

脳の血管が破れる事で起こる脳出血、脳の血管が詰まる事で起こる脳梗塞などが

原因で起こる手のしびれには注意が必要です。

 

動脈が詰まったり破れたりすることによって脳への血流量が減ると、

脳の神経細胞に障害が起き、半身のしびれや麻痺、言語障害といった症状が

現れるそうです。

 

「朝起きた時に急に手がしびれます。」

「体の左半分や右半分がしびれる。」

「親指と小指と同じくらいしびれる。」

 

このような場合は、早急に病院での受診をお勧めします。

(2)頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症

一般に頚椎を後ろへ反ると痛みが強くなりますので、上方を見ることや、

うがいをすることが不自由になります。

 

痛みは軽いものから耐えられないような痛みまで程度はそれぞれです。

 

頚椎と呼ばれる首の骨の間でクッションの役割をしている椎間板の変形などにより、

脊髄からわかれて上肢へゆく「神経根」の圧迫や刺激をされることで

腕や手の痛みやしびれ、手の動かしずらさが出る症状です。

www.joa.or.jpより出典

従来は中高年に多い病気でしたが、最近はPCやスマホを頻繁に使用する

若い人でも多くなっているようです。

3)胸郭出口症候群

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作で

痛みやしびれが出ます。

 

肩こりをはじめ、首や肩、腕にしびれやちくちくする感覚、

刺すような痛みを感じる症状です。

 

鎖骨周辺には腕神経叢(わんしんけいそう)と動脈が胸郭出口という

鎖骨や肋骨と筋肉の狭い間を通って腕に伸びます。

 

blog.goo.ne.jpより出典

症状が進むと、手の握力の低下、手や指の動かしずらさと、

血行の悪化から皮膚が白くなったり、青紫色になったりします。

 

血行障害で痛みや感覚障害が誘発されることもあります。

 

女性に多い症状ですが、筋肉質な男性にもみられる症状の様です。

4)糖尿病性末梢神経障害

糖尿病になると末梢神経が知らず知らずのうちに傷つき

本来持っている働きが十分できなくなります。そのため、

痛みや温度に鈍感になったり、手のしびれが生じる事があります。

 

初期段階では、主に脚の指や脚の裏に「ぴりぴり」「じんじん」と

いった痛みやしびれを感じ、症状が進むと手指にも痛みやしびれるような

痛みがあらわれるようになるそいうです。

 

糖尿病神経障害がなぜ起こるかはまだはっきりわかっていません。

 

一説として、障害を起こす原因となる物質が神経細胞に蓄積すること、

高血糖による血流低下により神経細胞に必要な酸素や栄養が

不足するためによる説などありますが、明確な理由は明らかになっておりません。

5)手根管症候群

夜間から明け方にかけて強い痛みを感じ、手を振ったり、

曲げ伸ばしをすることで多少痛みが和らぐなどの症状が特徴的といわれています。

 

進行すると、1日中しびれや痛みを感じたり、ボタンをかけたり、

ペットボトルのキャップを開けなどの動作が上手くできないようになり、

親指の付け根の筋肉がやせることもあります。

www.nhk.or.jpより出典

手首にある手根管というトンネル内を通る神経が圧迫されることで、

その先の手の平や小指を除く指に症状が出ます。

 

一般的には、妊娠・出産期や更年期の女性に多く見られる傾向があります。

 そのほか、骨折やスポーツのしすぎなどが引き金になることもあります。

6)更年期障害

女性ホルモン(エストロゲン)が不足すると血流を調節している自律神経が

影響を受け、血の巡りが悪くなって手足がしびれる症状や手のこわばりが出る

場合もあります。

 

突然のほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)、イライラ、不安感、憂鬱感、

集中力の低下、めまい、耳鳴り、動悸、倦怠感、うつ状態などもあります。

 

 

(7)自立神経失調症

体の調整を無意識に行う働きを担う自律神経が乱れることで、必要以外に血管が

収縮することで、手足のしびれを感じる場合もあります。

 

自立神経失調症は、めまい、肩こり、頭痛、頭が重い、手足のしびれや 痛み、

手足が冷える、顔がほてる、動 どう 悸 き 、下痢、便秘、 胃がおかしい、眠れない

など、いずれか複合して症状が現れる場合が多いようです。

 

4.何科を受診したらいいの?

私の所にも手のしびれで来られる患者さんが多くいますが、中には、

いろんな病院を渡り歩き、お金や時間を使ってようやく診断される方も

少なくありません。

 

 

患者さんから尋ねられた時は、

“神経内科”に受診されることをお勧めします。

 

神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。

 

神経内科を受診したうえで、骨や関節の病気がしびれや麻痺の原因なら整形外科に、

手術などが必要なときは脳神経外科を紹介していただけます。

 

しびれの症状で、早めに診断を受けた患者さんの多くが神経内科を受診されている

傾向にあります。

しびれは、放っておくと、どんどん症状が進む場合が多くあります。

早めに対処すれば、早めに回復する傾向にあります。

 

何か不安なことや、お聞きしたいことがあったらお気軽にご相談ください。

きっと、お伝えす出来ることがあります。

 

お大事にしてください。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

Tel:090-8328-9834

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長野県諏訪市城南1‐2124‐4

 

 

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