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膝の水は抜いた方がいいですか?

患者さんや電話でのご相談で、

 

「膝の水がなかなかひきません。」

「水を抜いてもらっても1週間たつとまた水が溜まってしまうんです。」

「膝に水が溜まっているのですが、抜いた方がいいですか?」

と聞かれることがあります。

 

膝に水が溜まると、腫れで膝の曲げ伸ばしが出来ず痛みも辛いです。

普段やっていることができない!

早く何とかしたいですよね。

 

私の施術現場の経験を通してお話いたします。

 

良かったら読み進めてください。

1.水が溜まるとは?

膝に水が溜まると、お皿が見えなくなったり、

お皿を押すと、浮き上がってくる感じがしますが、

膝の中では何が起きているのでしょうか。

 

膝の関節には関節包という袋状の組織で膝が保護されていますが、

その内側には薄い滑膜という組織があり滑液(関節液)が作られます。

滑液は、

関節の滑りを良くするとともに関節軟骨に栄養を与えたり

 

老廃物の除去などの働きのある液体です。

httpsishihara-chiropractic.comより出典

1-1 一般に「膝に水がたまる」とは

 

炎症などでこの滑液が異常に増えてしまった状態のことをいいます。

 滑液は、黄褐色透明で、なめこのぬめりのようにとろーっと粘り気があります。

その量は多くて5mlまでですが、膝の炎症により膝に水が溜まると

60ml 以上にもなることがあるそうです。

 

ケガによる場合は、膝をひねったりぶつけたりして、関節の軟骨や半月版、

靭帯、さらに骨が傷ついていることがあり、傷ついた所からの出血で関節の中に

血液がたまることもあります。

 

 

膝に水がたまると、その圧迫で血流が悪くなります。

さらに、膝の腫れにより関節の柔軟性が失われに動かせなくなります。

httpspt-matsu.comhydrarthrosisより出典

1-2 膝に水が溜まる症状としては

 

【変形性膝関節症、慢性関節リウマチ、痛風、偽痛風】などが挙げられ、

 

血液が溜まる場合は、【靭帯断裂、半月板損傷、関節内の骨折】などが挙げられます。

 

 

また、化膿性関節炎といった細菌感染では膿が溜まるそうです。

2.膝に水が溜まると病院では

まず、整形外科に行くと、

 

X線検査の他、症状によってはMRIや関節鏡などの検査をします。

そして、膝の状態を診て、関節に針を刺して液を抜き検査しします。

透明な液なのか、濁った液なのか、血液が混じっているのか、

どんな液が溜まっているのかを調べることで、

ある程度診断がつき、薬や注射などの治療に進みます。

 

また、膝の水が抜けると関節の内圧が下がり痛みが和らぎ、

圧迫されていた血流が元に戻り、関節も動かしやすくなります。

 

お医者さんによっては、何度も水を抜かないお医者さんもいるようで、

抜いた水は、診断や治療方針を決める上で貴重な情報を得ることはできるが、

何度も抜くことはしない。いう方針のお医者さんもいらっしゃいます。

 

 

3.原因を解決しない限り繰り返す可能性がある

3-1 原因は硬くなった筋肉

 

私たちの所には、膝の水を抜いてもすぐに溜まってしまうとう患者さんが来られます。

膝に水が溜まることを繰り返すということは、そうさせてしまう原因があるはずです。

 

そのような患者さんのお身体を診ていくと、膝の動きに関係する筋肉、特に股関節や

足関節周りの筋肉が硬くなっていることが多く、それらの筋肉を柔軟にすることで

膝に溜まった水が引いていくケースも少なくありません。

 

3-2 体の使い方にも原因が

 

筋肉が硬くなってしまう原因として、ある一定の筋肉しか使われていないことが多くあります。

 

歩き方の癖や、姿勢や生活習慣など、多くの筋肉を使うことができれば負担を分配できる

のですが、偏り過ぎるような歩き方が膝に負担をかけることもあるので、

私たちは患者さん一人一人の生活習慣などお聞きしながら改善策を提案します。

 3-3 水が溜まることは悪いだけではない?

 

水が溜まることで日常生活を送ることが不便になりますが、実はそのことで動きを制限し

て膝の負担を減らす働きがあるとも考えられます。

 

いわば“天然のギブス”として膝を守ってくれるのです。

 

私たちは、膝に水が溜まったら、できるだけ膝に負担をかけないように過ごすことを

お勧めしています。

 

50代の女性は、施術と共に家事を家族で分担してもらったおかげで、

早期に水が引いて膝の痛みが消え、こちらからお伝えした簡単なセルフケアを行ったことで、

再発しなくなったケースはあります。

4.水は抜くべきか?

このような質問をされたら、私はまずは、

病院で検査をしていただくことをお勧めします。

 

ご自身の状態をお医者さんに詳しくお伝えすれば、

水を抜くべきか判断してくれますし、

骨や膝の周りの組織に異常があれば画像で確認することもできます。

 

 

ただ、病院に何度も通っても症状が改善されないときは、

治療を変える必要があるのかもしれません。

 

膝に水が溜まるということは原因ではなく結果です。

そうさせてしまった正しい原因に対して、

正しい対処をしない限り、一時的に楽になっても

何かの拍子に再び水が溜まる可能性があるからです。

 

 

水が溜まり痛いや動かしにくくしているのは、

『膝に負担をかけていたことを見直して!』と

身体が教えてくれるサインであるととも考えられます。

 

大変な状態ではあるとは思いますが、

この機会にしっかりご自身のお身体に向き合う

タイミングなのかもしれません。

 

水を抜くことは痛みを一時的に緩和させることや

膝の中の状態を知るうえで必要かもしれませんが、

何度も水を抜くことよりも、膝に水が溜まらないような身体にする方が

大切だと思います。

 

 

何度か水を抜いてもなかなか改善がみられず、こちらに来られる患者さんには、

 

出来るだけ水を抜くのは一旦お休みにして、

できるだけ膝が痛くならない環境を整えてもらいます。

そして、施術とお家でのセルフケアを並行していただくことで、

早期に改善されるケースがあります。

 

当たり前にできていたことが、できなくなってしまうことは、

とても歯がゆく辛いものです。

 

この機会にしっかりお身体を良くして、

これからの人生を大いに楽しみましょう。

 

 

何かお聞きしたいことなど、ありましたらお気軽にお電話ください。

きっと、お伝えできることがあるはずです。

 

 

それでは、お大事に。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

Tel:090-8328-9834

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