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サポーターは使ってもいいですか?(オスグッド)

患者さんや親御さんから“サポーター”について聞かれることがよくあります。

 

「サポーターって使っていいですか?」

はじめてこちらに来られた時のⅯくんのお父さんもそうでした。

 

当時のくんは中学3年生でサッカー部のキャプテンをしていました。

膝の痛みを感じ始めたのは中2の冬で、病院へ行ったら“オスグッド・シュラッター病”と

お医者さんから言われました。

 

その後、病院で電気治療や、シップをしばらく貼っていましたが、

痛みが改善することはなく、膝にサポーターをして、練習に参加していたそうです。

 

 

 

1カ月もするとくんの膝の痛みはどんどん増していき、

学校の階段は手すりがないと昇り降りできないほどになっていました。

 

そんなⅯくんを心配していたお父さんは、

 「今の治療法以外で何かやってあげられることはないのか?」と思い、

インターネットでこちらを知ったなったそうです。

 

 

 

 

1.サポーターの役割

膝関節の構造は、太ももの骨とスネの骨が面と面で合わさるようになって、体重を支えています。

 

膝の関節運動は、ドアで蝶番(ちょうつがい)に似ていて、開いてたり、閉じたりして

膝関節を曲げ伸ばしできます。そして、わずかにねじることもできます。

 

 

オスグットは、骨の成長が著しい時期において、膝のお皿の下の脛骨粗面周辺が痛む症状で、

骨に接合している太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が引っ張られることで負担をかけると

一般的には言われいます。

httpswww.joa.or.jpより出典

サポーターの役割としては大きく2つあります。

 

    ホールド感が高く安心感がある

脛骨粗面や膝周辺がサポーターで圧迫されることで関節の安定性と安定感が増し、

不安が解消されます。

 

    動きを制限できる

サポーターをすることで、膝関節への無理な動きを制限し負担を軽減します。

2.サポーターの種類

①膝全体を覆う オスグッド用サポーター

 

 

膝の腱をすっぽりと覆っていますが、膝の皿にあたる部分がO型に穴があいているため、

膝の曲げ伸ばしができます。

https://www.zamst-online.jp/より出典

 

・メリット

 ホールド感が高く安心感がある

 動いてもズレにくい

 

・デメリット

 締め付けを強く感じる

 

 脱着が面倒

②お皿の下に付ける オスグッドバンド

 

 

痛みあのあるお皿の下に巻くように付けることで、痛みの軽減に有効とされる。

https://www.zamst-online.jp/より出典

 

・メリット

簡単に装着できる

動きやすい

蒸れにくい

 

・デメリット

 

ズレやすく、強くしめようとすると血流が低下して動きにくくなる

3.サポーターは治すための道具?

ケガなどによって痛みなど膝周辺が不安の場合、そこをしっかりサポーターで保護してくれると、

痛みが軽減し動かしやすくなる場合があります。

 

でも、1週間以上経っても痛みが続くようであれば、サポーターの限界を超えている可能性があります。

その場合、膝の保護だけではなく、根本的な痛みを起こしている原因に対処していていかないと、

その後も痛みが増し回復を遅らせる可能性があります。

 

 

オスグッドの子の多くは、膝関節の動きに関わる筋肉が必要以上に硬くなって、

アンバランスになった結果、痛みにつながっている子が多い傾向にあります。

 

 

膝周辺には膝の動きに関わる筋肉がたくさん付いています。

 

 

httpsblogs.yahoo.co.jpより出典

 

オスグッドの原因の多くは、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が硬さと言われていますが、

太ももの裏側や股関節周辺の筋肉の関係も大きく、それらを柔軟にすることで、

早期に回復していきます。

 

サポーターをすることでかえって無理ができてしまいサポーターを外した時に、

痛みが増してしまうケースが多くあり、そのことからも、

 

サポーターは痛みを根本的に治すための道具ではないと言えます。

4.サポーターを外して治すことに徹したⅯくん

こちらに来られる前のⅯくんは、サポーターをつけて練習に参加していました。

 

最初の頃は、練習に集中していたこともあり痛みを感じなかったのですが、

練習後、サポーターを外すと、じわじわと痛みが出て、

やがて、サポーターをしていても痛みを感じるようになったそうです。

  

初診の時に、Ⅿくんとお父さんに、今後どうしていきたいのかをお聞きしたところ、

高校に行っても、その先もずっとサッカーを続けいたいとⅯくんはハッキリと、

私に伝えてくれました。

 

 

 

私たちは、“オスグッドを最短で治すこと。”を目標に掲げました。

 

その後のⅯくんは、部活を休んで治療に集中しました。

すぐに、歩く分には膝に痛みを感じなかったので、

サポーターを外した状態で痛みの出ない範囲で生活をしてもらいました。

 

 

それと、こちらからお伝えしたセルフケアも行って、

お風呂にもゆっくり入って、毎日、筋肉を柔軟にするよう努めました。

 

Ⅿくんの頑張りで、6回目にこちらに来られた時には、

以前は、痛くてできなかった膝の屈伸も完全にできるようなり、

徐々に練習にも参加できるようになりました。

 

現在、高校生になったⅯくんは、県内の強豪校でサッカーをして、

充実した日々を送っているそうです。

 

 

メンテナンスに来られた時に、Ⅿくんが笑顔で報告してくれました。

5.これからもスポーツを楽しむために

 

 サポーターのメリットを生かすことで、膝周辺の負担を軽減することは

可能だと思いますが、サポーターは膝の痛みを治してくれる道具ではないので、

その時のお子さんの状態で使い分けることは必要ではないかと思います。

 

オスグッドになる子を診ていると、筋力があり、パフォーマンスも高く、

チームの中心的な存在の子が多い傾向にあります。

 

チームから頼りにされるあまり、無理を重ねて症状を悪化させてしまいます。

その結果、痛みで思いっきり動くことができなくなり、チームから離れていってしまいます。

 

痛みをこらえて頑張ってきたお子さん自身が、悲しい思いをしなくてはいけません。

 

将来のあるお子さんのためにも、今も大切ですが、その先にある大きな目標に向かって

何ができるのか、一緒に考えて行動していく必要があると思います。

 

痛みを克服したお子さんは、きっと、選手としても人間としても

 

大きく成長できるはずです。

 

 

 

もし、お子さんのことで、不安や悩みがあったら、お気軽にお電話ください。

必ず、お伝えすることがあります。

 

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

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