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サポーターは着けていいですか?(半月板損傷)

半月板損傷の患者さんから、「サポーター”って着けていていいですか?」と

聞かれることが、たびたびあります。

 

I40代女性)さんからも同じように聞かれました。

 

Iさんは、通勤中の階段で突然、「ずきーん!」っと突き上げるような膝の痛みで、

しばらく動けなくなった方です。

 

すぐに病院へ行き、いくつかの検査の結果“半月板損傷”と診断されました。

 

お医者さんから、「今後、手術も視野に様子を見ていきましょう。」と言われ、

Iさんは、ビックリされたそうです。

 

半月板損傷は、半月板という膝関節の間にあるクッション組織が損傷するもので、

スポーツなどの怪我から生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月板に

微妙な外力が加わって損傷すると一般的には言われています。

httpswww.toyoda-clinic.infoより出典

 

病院での治療は、抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、

 

改善しない場合には手術を行うそうです。

 

Iさんは、お仕事でお店に立ち続けることが多いため、

不安を少しでも解消したいと、サポーターを膝に着けて働かれていました。

 

 

病院での治療の効果もあったのか、

しばらくは突き上げるような強い痛みを感じることはなかったのですが、

3カ月を過ぎたころから、膝の痛みが徐々に増していき、

時々突き上げるような痛みを感じるようになってしまったそうです。

 

Iさんは、「出来れば手術はしたくない。」、

「その前に何とかならないものか。」と、

思い、インターネットでいろいろ検索していたら、

 

偶然こちらを知ったそうです。

1.サポーターの役割

Iさんはサポーターをすることで、しばらく楽に過ごすことが出来たそうですが、

サポーターの役割とはどのようなものでしょうか。

 

膝関節の構造は、太ももの骨とスネの骨が面と面で合わさるようになって、

体重を支えています。

 

膝の関節運動は、ドアで蝶番(ちょうつがい)に似ていて、

膝関節を曲げ伸ばしできます。そして、わずかにねじることもできます。

httpswww.b-balance41.comより出典

 

サポーターの役割としては大きく3つあります。

 

    ホールド感が高く安心感がある

膝周辺がサポーターで圧迫されることで関節の安定性と安定感が増し、

不安が解消されます。

 

    動きを制限できる

サポーターをすることで、膝関節への無理な動きを制限し負担を軽減します。

 

    保温効果がある

 

サポーターで包み込むことで、膝周辺を温めてくれる。

2.サポーターの種類

①  機能性サポーター

 

膝の腱をすっぽり覆い特別な繊維や構造などの保護力で、

 

膝の曲げ伸ばしを助けてくれる

httpswww.daiichisankyo-hc.co.jpより出典

 

・メリット

ホールド感が高く安心感がある

動いてもズレにくい

 

・デメリット

締め付けを強く感じる

 

脱着が面倒

    保温性サポーター

ひざを温めることで血流促進を図り新陳代謝が活発になります。

 

そのためひざの痛みを和らげる効果が期待できる。

httpsitem.rakuten.co.jpより出典

 

・メリット

簡単に装着できる

動きやすい

蒸れにくい

 

・デメリット

機能性サポーターに比べると、膝の固定力は弱く、

 

かといって圧迫が強いものは血流を悪くする

3.機能性サポーターは治すための道具?

 

 

立ったり、座ったり、歩くなど体を動かす場合、

膝を保護してくれる機能性サポーターをすることで、

痛みが軽減し膝を動かしやすくなる場合があります。

 

でも、1週間以上経っても痛みが続くようであれば、

サポーターの限界を超えている可能性があります。

 

その場合、膝の保護だけではなく、根本的な痛みを起こしている

原因に対処していていかないと、その後も痛みが増し回復を

遅らせる可能性があります。

 

機能性サポーターをすることでかえって無理ができることで、

サポーターを外した時に痛みが増してしまうケースが多くあり、

そのことからも、サポーターは痛みを根本的に治すための道具では

ないと言えます。

 

半月板損傷の患者さんの多くは、膝関節の動きに関わる筋肉が必要以上に

硬くなってアンバランスになった結果、痛みにつながっている方が

多い傾向にあります。

 

膝周辺には膝の動きに関わる沢山の筋肉が付いています。

httpsblogs.yahoo.co.jpより出典

 

こちらに来られる半月板損傷の方の多くは、太ももの筋肉や

股関節周辺の筋肉の関係も大きく、それらを柔軟にすることで、

 

早期に回復していく傾向にあります。

4.保温性サポーターはしてもいいですか?

Iさんは、機能性サポーターを外しましたが、膝から足先にかけて冷えを

感じていたそうで、「このサポーターならしてもいいですか?」と

聞かれました。

 

見せてもらったサポーターは、保温性サポーターでした。

 

実際膝に装着してもらうと、膝をきつく締め付けるものではなく、

ご自身もサポーターをしていると安心だし、冷えが遠のくようなので、

しばらく保温性サポーターを着けて様子を観ることにしました。

 

しかし、ある程度の段階でIさんにはサポーターを外してもらいました。

長い期間サポーターをすることで、無意識に膝をかばうような動作が

定着してしまい、体のバランスを崩して反対の膝や腰などにも

負担をかけてしまうからです。

 

 

5.サポーターを外したその後のIさん

Iさんの趣味は登山です。

頂上に登った時の達成感やお友達と一緒に行くのが楽しいそうです。

 

今は、膝の痛みで登山に行くことはできませんが、

こちらで3回ほど施術を受けたあたりからIさんは、

膝が改善していく手ごたえを感じ、“お友達と登山に行くこと”を

目標にしたそうです。

 

 

目標を持ったIさんの膝は、その後どんどん回復していきました。

 

サポーターを外して、痛みを感じない範囲で生活をして、

お風呂に長めに浸かったり、セルフケアをして、

筋肉を柔らかくするために努められました。

 

膝や股関節周りの筋肉の硬さが徐々にとれてきたIさんは、

気になっていた足先の冷えも徐々に解消されてきたそうです。

 

今では、お友達とハイキングを楽しめるようになり、

 

近いうちに登山も挑戦することも、報告してくれました。

6.これからも、ずっと付き合う体だから

 

 サポーターのメリットを生かすことで、膝周辺の負担を軽減することは

可能だと思いますが、サポーターは膝の痛みを治してくれる道具ではないので、

その時の状態を観て使い分けることは必要だと私は思います。

 

半月板の患者さんを診ていると、責任感が強くまじめな方が多い傾向があるようです。

 

職場でも頼りにされるあまり、無理を重ねて症状を悪化させてしまいます。

痛みをこらえて頑張ってきたご自身なのに、悲しい思いをしなくてはいけません。

 

これからもずっと付き合っていくご自身の体ですから、

この先どうありたいかということを考え行動していく必要があると思います。

 

痛みを克服したIさんは、持ち前の責任感をご自身のお身体へ向けることで、

この先もっと豊かな暮らしを送ることができることと思います。

 

 

 

もし、今、半月板損傷の痛みで辛い思いをされて不安な気持ちであれば、

お一人で抱え込まずに、お気軽にこちらまでご相談ください。

 

お待ちしています。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

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