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サポーターって使っていいですか?(腱鞘炎の方からの質問)

患者さんから、「サポーター”って使っていいですか?」と

聞かれることが、たびたびあります。

 

腱鞘炎で来られたⅯ30代女性)さんからも、

同じように聞かれました。

 

さんは、初めてのお子さんを出産後、手首に痛みを感じ始め、

しばらくすると、何か物を持とうとすると「ずきーん!」と、

激しい痛みを感じるようにまでなったそうです。

 

すぐに病院へ行き、いくつかの検査をした結果“腱鞘炎”と診断されました。

お医者さんから、「今後、症状が進むようなら手術も考えていきましょう。」と、

言われさんは、ビックリしてしまったそうです。

 

 

腱鞘炎は、指を動かす腱と腱をカバーする腱鞘に炎症が起きるもので、

仕事などでの手や指の使い過ぎや、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く

 

生じると、一般的には言われています。

yobou-oita.comより出典

病院での治療は、抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する

場合がありますが、改善しない場合には手術を行うようです。

 

 

Ⅿさんは、腱鞘炎でも、お子さんのお世話や家事で手を使わなくてはいけないため、

不安を少しでも解消したいと、サポーターを手首に着けられました。

 

 

サポーターをしていると、痛みが軽くなるようですが、

サポーターを外すと手首に、ズキズキ痛みを日増しに、

感じるようになってしまったそうです。

 

Ⅿさんは、「出来れば手術はしたくない。」

「何とかしたい。」と思い、インターネットでいろいろ検索して、

 

偶然こちらを知ったそうです。

1.サポーターの役割

手首や指を動かすには、腱という筋肉の先ある組織によって曲げ伸ばしができ、

 

腱は腱鞘というトンネルの様な筒状なもので保護をしています。

                                                yobou-oita.comより出典

そのような手指や手首周辺を覆うサポーターには、

どのような役割があるでしょう。

サポーターの3つの役割

 

    ホールド感が高く安心感を得られる

手首周辺がサポーターで圧迫されることで関節の安定性と安心感が増し、

不安が解消されます。水仕事ができる防水性のものもある。

 

 

    動きを制限できる

固定プレートが入っていることで、関節をしっかり固定でき、

動作痛を防ぐことができる。

 

 

    保温効果がある

 

特殊な繊維や縫製のサポーターが手首周辺を温めてくれる。

2.サポーターは治すための道具?

サポーターが動きを制限して、痛みが軽減することが期待できますが、

 

1週間以上経っても痛みが軽減しないようであれば、

サポーターの限界を超え症状が進行しているかもしれません。

 

 

その場合、手首の保護だけではなく、根本的な痛みを起こしている

原因に対処していていかないと、その後も痛みが増し回復を

遅らせる可能性があるかもしれません。

 

サポーターを外した時に痛みが以前より増す、

というケースは少なくありません。

そのことからも、サポーターは痛みを根本的に治すための

道具ではないと言えます。

 

腱鞘炎を改善する適切な治療と共にサポーターを外す時間を、

徐々に増やしていく必要があります。

 

腱鞘炎の患者さんの多くは、手首や指の動きに関わる筋肉が必要以上に

硬くなってアンバランスになった結果、痛みにつながっているケースが

多い傾向にあります。

 

 

 

手首や指の動きは、前腕部(手首から肘にかけて)の筋肉と、

httpwww.music-body.comより出典

全身を覆う筋膜という筋肉の膜が、体の末端の指などを引っ張ることで、

 

負担となり痛みにつながることもあります。

httpokayamaliving.co.jpより出典

腱鞘炎の患者さんは、肩こりの方が多く肩や肩甲骨周辺の筋肉を柔軟にすることで、

腱鞘炎が改善していくのは筋膜の影響も大きいと言えます。

3.サポーターを外してさんが気をつけたこと

Ⅿさんには、無理のない範囲でサポーターを外してもらい、

痛くない範囲で動かしてもらうようにしてもらいました。

 

加えて、お伝えしたことは、赤ちゃんの抱っこや、

洗濯物を干す時など、生活での動作は、極力ゆっくり動くことを

意識してもらうことでした。

 

早く動かすことより、ゆっくり動かすことで、指や手首だけではなく、

腕や肩や体全体を使いやすくなり負担を軽くすることができるからです。

 

Ⅿさんは、ゆっくり体を動かしたことで、気持ちにもゆとりができたそうで、

腱鞘炎の症状も日に日に改善し、サポーターの助けを全く借りずに、

生活ができるようにまでなりました。

 

今では、赤ちゃんを抱っこするときに身構えることなく、

抱っこやオムツ交換など、やさしく、ゆとりをもって接することができ、

 

日々のお子さんの成長を、心から楽しめるようになったそうです。

4.これからも、ずっと付き合う体だから

httpsshufu-arekore.comより出典

 

サポーターのメリットを生かすことで、手首周辺の負担を軽減することは

できますが、サポーターは手首の痛みを治してくれる道具ではないので、

その時の状態を観て使い分けることは必要だと私は考えます。

 

腱鞘炎の患者さんを診ていると、責任感が強くまじめな方が、

多い傾向があるようです。

 

育児休暇をとっていたⅯさんは、お休みを頂いているからこそ、

「育児は私がしっかりしなくてはいけない。」と、思ってしまい、

一人で全てを抱え込んで、症状を悪化させてしまったようです。

 

 

喜びと希望にあふれた初めての子育てを、痛みや、

悲しい思いをしてはいけません。

 

これからも、ずっと付き合っていくご自身の体ですから、

この先どうありたいかということを考え、

今何をすべきか、行動していく必要があると思います。

 

痛みを克服したさんは、持ち前の責任感をご自身のお身体にも

向けることができたことで、この先もっと豊かな暮らしをご家族と共に

送ることができることでしょう。

 

 

 

もし、今、腱鞘炎の痛みで辛い思いをされて不安な気持ちであれば、

お一人で抱え込まずに、お気軽にこちらまでご相談ください。

 

いつでも、お待ちしています。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

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