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半月板損傷改善のために必要なセルフケア(その3)

5.半月板損傷改善のために必要なセルフケア

半月板損傷の患者さんにとって有効なセルフケアとは、

筋肉をリラックスさせて、痛みのない範囲で“動かす”ことである。

と、考えています。

 

“動かす“といっても思いっきりではなく、

以下のような動かし方が効果的です。

 

・無理なく動かす

・ゆっくり動かす

時には、

・小さく動かしたり

・揺らしたり

・体制を変えたり

・平面的ではなく立体的に動かす(わずかな捻じれを入れる)

 

などの要素が入ったセルフケアが痛みを伴う体にとって、

有効なものと言えます。

 

セルフケアをした後は、体を動かした心地よさと血流が増したことで、

筋肉の柔軟性を促します。

患者さんに中には、セルフケアをやった直後、

体全体に、血液が『「どぉーっ」と流れるようです。』と、

おしゃる方もいらっしゃいます。

 

 

 

5-1.リラックス効果を促す

 

リラックスすることで、自律神経の副交感神経が優位になり、

血流が促進されます。

そのことで、痛みやケガをして損傷している組織の修繕が行われます。

 

セルフケアでは、体をリラックスさせることが何より1番大切になります。

 

 

これから紹介するセルフケアには、体を“揺らす”やり方があります。

簡単にできる揺らすことが、実は体にとってとても重要で、

私たちは、体を揺らすことで、体を整えようとする働きを無意識に

行っている場合があります。

 

例えば、貧乏ゆすりは、

脚を一定リズムでユラユラ揺らすことで、セロトニンという

リラックスホルモンの分泌が増えて、気分も楽になり、

無意識にストレスからの回避動作となっているとも言われています。

 

 

また、ゆっくりとした動きは、リラックスするために最良だということを、

ハーヴァード・メディカルスクールのハーバート・ベンソン教授が提唱した

“リラクゼーション反応”という特定の生理学的状態を表す表現から伺えます。

 

リラクゼーションとは、筋肉が緩んで脳への血流がスムーズになっている状態を指す。

そして、このリラクセーション反応を得られる最良の方法のひとつが、

連続するゆっくりとした動きなのだと言われています。

 

 

 

5-2.目立たない奥の筋肉(インナーマッスル)に注目

 

体は心臓から血管を通って全身に血液が送られます。

太い動脈から枝分かれして全身の組織に新鮮な酸素と栄養を届けます。

 

太い動脈は、体の深部にあり、近くにはインナーマッスルがあります。

インナーマッスルを柔軟にすることで、動脈の圧迫を開放して、血流が良くなります。

 

また、インナーマッスルの役割は、関節を安定させる働きがあります。

インナーマッスルが硬くなることで、関節の動きにアンバランスが生じて、

関節内の痛みを生じることになります。

 

ダイナミックな動きを司る表層の筋肉と共に、深部のインナーマッスルは、

セルフケアでアプローチするためにとても重要です。

 

お勧めのセルフケアは、インナーマッスルの動きに近づけることです。

小さく動かすことや小さく揺らすことで、インナーマッスルと共に関節内に刺激を与えます。

 

実際にセルフケアをした後には、膝の曲げ伸ばしが軽くなり、関節周辺の痛みも楽になる方は、

多くいらっしゃいます。

6.外傷における半月板損傷でもセルフケアは効果あるのか?

体がぶつかり合うコンタクトスポーツで、膝関節に圧力が加わり

半月板を損傷するケースがありますが、その様な場合でもこれから紹介する

セルフケアは有効と言えます。

 

瞬間的な大きな圧力で損傷を受けた時は、患部をはじめ、

その周辺の筋肉も緊張します。

これは、次の衝撃に対し準備するための反応ですが、

それが続いてしまうと、患部の回復を遅らせます。

 

 

膝周辺の筋肉の柔軟にして、血流を良くして損傷した組織に栄養を送ることは

早期回復のためにも大切であり、そのためにセルフケアを行うことは

とても有益なことであると考えています。

7.おススメのセルフケアはこれ

簡単で、短時間でできるようなセルフケアです。

痛みのある方はもちろん、コンディションを整えるためにも有効ですので、

ぜひ、やってみてください。

 

◆【手で触れる】

体の緊張を取って、これから始めるセルフケアをより効果的に行うケアです

・太ももを触れる

・膝から太ももつけ根まで3回くらい5秒ずつ手を触れる

↓画像(後日掲載予定)

・痛みのある場所を3か所それぞれ5秒触れる

 ①膝のすぐ上      ②膝と股の中間    ③股の近く

◆【ハク】

皮膚を通して、筋肉に緊張をとりリラックスを促すケアです

・指先をしなやかに“ほうき”のように、ふくらはぎから太ももつけ根までハキ上げる

 

・膝上から股にかけて長いストロークで5回ハク

◆【足首回し】

・足関節やそこに関わる筋肉にアプローチすることで、膝への負担を減らすセルフケア

・一方の手で、くるぶしを固定し、一方の手で足首を回す。

・回し方①大きくゆっくり10回、逆回しで10回、合計20回

・回し方②小さく少し早く10回、逆回しで10回、合計20

 

↓FMT整体セルフケア動画「足首回し」より

◆【腰ゆらゆら体操】

・骨盤や股関節に関わる筋肉にアプローチすることで、膝への負担を減らすセルフケア

 

↓FMT整体セルフケア動画「腰ゆらゆら体操」より

◆【だだっこ体操 その1】

・股関節周辺に関わる筋肉にアプローチすることで、膝への負担を減らすセルフケア

 

①スタートポジション

写真の様に膝を抱え込むようにする。首や背中がきつい場合は、クッションを入れる。

②脚の力は抜いて、膝に手を当て、できるだけ手の力を抜いて円を描くように膝をゆっくり10回、回す。

 

・ポイント

左膝が上の時は、右膝は下、左の膝が下の時は右膝は上、という様に回す。

③逆回しでも10回、回す。

8.セルフケアをより効果的にするために大切な3つのポイント

①継続すること

痛みは、それまでの痛みを起こす積み重ね=生活習慣からくるものと、

私は考えています。だからこそ、効果の出方も人それぞれです。

最初から頑張り過ぎず、1日10秒でもいいので毎日続けてください。

やがて時間を延ばしていけばいいですし、セルフケアが習慣になるはずです。

 

②無理をしない

セルフケアは、リラックスしている状態で最大の効果が出ます。

だから、無理は禁物です。

一生懸命にやり過ぎたり、痛みを我慢してやると逆効果になります。

 

③ビフォーアフターを感じ取る

今の体の状態を知ることは、とても大切です。

セルフケアで、どう変わっていくのか観察してみてください。

そのために、セルフケアをやる前と、やった後の体の変化を感じ取ってみてください。

例えば、その場で足踏みをして、セルフケアをやった後にもう一度足踏みをして、

違いを感じてみてください。

人によっては、最初は、わからないかもしれませんが、感じ取ろうとすることが大切です。

何度もやっていくと、その違いが分かるようになっていきます。

 

違いを確認は、先ほどの足踏みや椅子から立ち上がる時、片足を上げてみるなど、

ご自身でいろいろ試してみてください。

 

でも、決して痛みを強く感じることは避けてください。

9.さぁ、やってみましょう

 とにかく、まずは、やってみてください。

無理のなく、気持ちいい範囲で継続すれば、体はきっとそれに応えてくれるはずです。

痛みが無くなったら何がしたいですか?

良くなってご自身を想像しながら、楽しんでください。

わからないことや聞きたいことなどございましたら、お気軽にお電話ください。

 

それでは、お大事に。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

Tel:090-8328-9834

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