ゆっくり動作で、ヘバーデン結節(変形性指関節症)を克服したSさん

へバーデン結節(変形性指関節症)を早く良くするためのポイントとして、体を動かす時は、

「ゆっくり動かす」ということを患者さんにお伝えしています。

 

ヘバーデン結節の方にお話をお伺いすると、心身における共通点が見えてきます。

それは、

 

・責任感が強い

・常に何かしていないと気が済まない

・手際が良く、キビキビと動き回る

・長年肩こりを抱えている

・呼吸が浅い、時々息を止めることがある

 

こちらに来られたSさん(50代女性)は、上の特徴全てに当てはまる方でした。

 

Sさんは、スーパーで働いています。

品物の整理で長い時間冷凍庫に入った後は、特に指の関節の痛みが酷くなるそうです。

以前は、指をぶつけたり、指を使いすぎると痛みを感じていたのですが、

いつしか、何もしていなくても、ジンジン痛みを感じるようになり、

1関節も赤く腫れあがる様に出っ張ってきました。

 

Sさんのお母さんがそうっだったこともあり、

もしかして、「リウマチでは?」と思い、病院へ行ったところ、

血液検査やレントゲンの結果、お医者さんからは、

「へバーデン結節ですね。」と伝えられました。

 

症状はわかったものの、治療法は無い、と聞き、

「この先も、この痛みと付き合っていくの?」と落胆しましたが、

逆に、何か治す方法は、あるのではないのか!という思いが強くなったそうです。

なぜなら、Sさんは、大好きな”庭いじり”を再開したと思っていたからです。

 

そうした中、偶然インターネットでこちらを知ったそうです。

 

こちらに来られた時のSさんのお身体は、

まるで力をいれて踏ん張っているかのように、全身が硬直していました。

ご本人には自覚がなく、これが普段の状態であるとのことです。

 

そこで、「普段の生活の中で、リラックスできるような時間を

設けていらっしゃいますか?」と、お聞きすると、

 

「常に何かをしていないと気が済まない性分なので、リックスすることは、

まずありませんね。」と、お話しくださいました。

 

お話をしていくと、今はお亡くなりになったお姑さんは、とても厳しい方だったそうで、

Sさんは、常にお姑さんの目が気になっていたそうです。

良い嫁でなくてはいけない、という意識がずっとあったそうです。

 

そのような事も、体を常に緊張させ硬直させてしまうような体のクセに、

繋がっているのかもしれません。

 

施術後、Sさんへのアドバイスとして、できる範囲でいいので、

生活の中では「ゆっくり体を動かす。」ことをお勧めしました。

 

Sさんは、「ゆっくり?!」ですか。とビックリされたようでしたが、

とにかく、やってみたそうです。

 

まずは、家事から実践されました。お皿を洗う時や洗濯をするときなど、

ゆっくり体を動かすことを意識したそうです。

 

2週間続けたら、何もしてない時の痛みが、ほとんどなくなりました。

 急いで、食器を洗ったり、片付けようとすると、指先だけを使うような

動きになり、痛みを感じやすくなりますが、

 ゆっくり動かすことで、手のひらや両手で食器をそえることができ、

指先をあまり使わず腕や体全体で動かせるので、負担が軽くなることをSさんは、

体感されたそうです。

 

へバーデン結節の方の中には、「私はそれほど指先を使っていませんけれど?」と、

おっしゃる方がいますが、体を必要以上に早く動かしてしまう体の使い方によって、

同じことでも指先に負担をかけてしまうことがあるようです。

 

ゆっくり動かすことで、指先の負担を軽減すると共に無駄な動きが減ります。

無駄な動きがないと優雅に見えます。

 

能や歌舞伎などの伝統芸能や武道の達人と呼ばれる方の動きは、ゆっくり優雅な動きをしますが、

長年、実践を通して築かれていた、体にとって理にかなったものが表現や技となったのだと思います。

例えば、合気道の塩田剛三氏の動画を観ると、歩いているかのように、人を何人も倒していきます。

 

ゆっくり動かすと、作業効率が落ちると思われがちですが、体の無駄な動きがなくなり、

疲れを感じず、同じことをかえって早く終わらせることは可能です。

ゆっくり動かすと、より動作に集中できることで、体にとって負担のかからない動きになるのです。

 

 

順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、「ゆっくり動く」は、呼吸が深くなることで、

副交感神経の働きが良くなり、血液の循環、臓器機能が良くなる、最高の健康法だと、

おっしゃっています。

 

Sさんは、以前と生活は変わらないのに、気持ちにゆとりができたことを感じられています。

ゆっくり動かすことで、呼吸が深くなり、リラックス効果のある副交感神経がしっかり、

はたらくようになったのだと思います。

 

今では、体全体の硬直がなくなり、力を抜いて施術を受けることができるようになりました。

お仕事でも、ゆっくり動かすことをされているそうで、

こちらに来られるたびに指の痛みは消えてきました。

  

Sさんは、今では、大好きだった”庭いじり”を始めたいと思えるくらい回復しています。

 これからも、ゆっくり体を動かして、お身体をお大事にしてくださいネ。

 

 

皆さんも、今からできるセルフケア「ゆっくり動かす」をやってみてください。

いかに今まで、体に負担をかけていたこともわかりますよ。

 

 

早く痛みがなくなり、以前の様に生活を送れることを願っております。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

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