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「手術でも治る可能性は低い」と言われて手根管症候群を回復したTさん

70代のTさんは手根管症候群という症状で、

こちらに来られた患者さんです。

 

1年ほど前から手にしびれを感じ始めましたTさんは、

当初は、朝起きた時に指先にしびれを感じたので、

寝相が悪いのかと思っていたそうですが、

しびれは日に日に増すようになりました。

 

1日中しびれを感じることも珍しくなかったのですが、

それでも日常の生活は何とかなったので、

病院へは行かずしばらく放っていました。

 

しかし、半年経ち、そのしびれに痛みと

指先の動かしにくさが加わるようになりました。

寝ていてもしびれや痛みで起きたり、

お財布から小銭をつまむことや、

ペットボトルのキャップを開けることが

大変になってしまいました。

 

そのようなTさんの姿を見て、心配されてたご主人さんから

病院に行くことを勧められ近くの整形外科に行くことになりました。

 

整形外科では、はっきりとした診断がつかず総合病院を紹介され、

そこでは、いくつかの検査をして、お医者さんから

「手根管症候群」という聞きなれない診断名を言われました。

 

更にお医者さんから言われたことは、

「親指の筋肉がやせすぎているので、

手術をしても良くなる可能性は低いです。」

「痛み止めとビタミン剤を出すので

これで様子を見て見ましょう。」と言われ、

Tさんはあまりにも突然のこと何を言われているかしばらくわからず、

その後、目の前が真っ暗になってしまったそうです。

 

家に帰り落ち込んでいるTさんを心配して、

お孫さんがインターネットでいろいろ調べてくれて

こちらを知ったそうです。

 

病院での治療では改善の見込みがなさそうなので、

「まずは行ってみよう。」と、半信半疑で来られたそうです。

 

Tさんの手は、親指の付け根の筋肉がゲッソリやせ落ちていて、

人差し指と親指で輪を作るOKサインを作ることが上手くできません。

Tさんは、「もっと早く病院へ行っていれば良かったのかもしれません。」と、

 

うつむきながらおっしゃいました。

手首には手根管という手首の骨と靭帯で囲まてたトンネルがあります。

その中には、指を動かすための腱と正中神経という親指から薬指の親指側にかけての

感覚や、親指の動きに関わる神経が入っています。

 

http://www.heartful-health.or.jpより出典 

指先に伸びる神経と、

 

親指を動かすための神経が通っています。

図:正中神経の走行と神経支配(右手)

http://twmu-mcens.jp/case1404002.htmlより出典

 

 

 

手根管というトンネル内が何らかの理由で圧迫されることで、

その先の指にしびれや痛みを感じます。

また、指を動かす命令を出すのですが、

神経の圧迫でうまく伝達できず親指を動かせなくなります。

動かなくなった筋肉は、衰えてやせてしまうと考えています。

 

私の所には、Tさんの様にお医者さんから言われた患者さんや、

手術後もしびれや痛みが引かずに来られる方がいらっしゃいます。

 

手術は、手根管というトンネルを構成している靭帯を切ることで、

圧迫を開放させることを目的とします。

 

お医者さんは、「手術は100%治る保証はありません。」とか、

中には「治るのは半々です。」とおっしゃられるそうです。

 

そのことからも、手根管そのものが痛みやしびれの原因ではないと考えられます。

手根管内での圧迫は、あくまで結果であり、

そうなってしまった原因がその他にあることを

多くの患者さんの改善を目のあたりにして感じております。

 

Tさんが、こちらに通い始めて2回目はしびれの変化はありませんでしたが、

3回目こちらに来た時には、しびれが無くなり朝までぐっすり

寝られるようになりました。

 

親指はやせたままで、うまく動かせない状態は続いていましたが、

その後も毎週通われると同時に、

Tさんのご家族は、できるだけ負担をかけないように家事や畑仕事を

分担してTさんのサポートをしてくださっていました。

 

こちらに9回目に来られた時にTさんは、

「先生!親指の筋肉が盛ってきました。」

指を動かしながら嬉しそうに報告くださいました。

 

 

ちらに来られる手根管症候群の患者さんの多くは全身の筋肉が硬い方がほとんどです。

 硬くなった筋肉は、手根管の中の腱の引っ張りを強くすることで腱が太くなり圧迫をしたり、

 手根管の中に通る神経を圧迫することで、しびれや痛みを起こすと考えています。

 

神経は、首から手首までの長い経路をたどるので、手首だけではなく広い範囲で、

 筋肉を柔軟にすることで、改善されています。

 

 

その後Tさんは、3回ほどで反対側の指とほとんど変わらない程度に

指の筋肉が戻りました。

 

以前の様に、家事や畑仕事を楽しくしている様子をお聞きすると、

こちらまで嬉しくなってしまいます。

 

Tさんは、とても素直で前向きな方です。

小さな体の変化も逃さず感じ取ってそれを、私に報告してくれますし、

こちらからお伝えした手根管症候群を改善するセルフケアも

毎日欠かさずされていました。

 

痛みやしびれは、早い段階で改善されるケースがありますが、

親指のやせの場合は少し時間を要す場合があります。

でも、Tさんはあきらめずに体をよくするために頑張られたことが

現在の結果につながったのだと思います。

 

Tさん、良かったですね。

 

 

もし、Tさんの様に、手術での改善が見込まれなかったり、

あるいは、手術を受けようか悩んでいるようでしたら、

その前にできることを選択されてはいかがでしょうか。

 

お伝えすることも必ずありますので、お気軽にご相談ください。

 

一緒によくしましょう。

↓手根管症候群 症状ページ

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