Sくんは、小学校6年生の男の子です。
地元のサッカークラブに所属しているのですが、3か月前から膝に痛みを
感じ始めたそうです。
すぐに病院へ行きレントゲンなど検査の結果、お医者さんから
“オスグッドシュラッター病”と診断を受けました。
「しばらくサッカーを休むようにネ。」と、言われたので、Sくんは、
その通りに、しばらくの間サッカーを休み再開しましたが、
走ると以前と変わらない痛みのままでした。
辛そうなSくんを心配したお母さんが、たまたま当院のチラシを思い出して、
ダメで元々という気持ちで、こちらに来られたそうです。
Sくんの膝は、屈伸すると痛みを感じ、膝の骨の出っ張りを押しても
痛みを感じる状態です。
階段などの昇り降りや普段の生活では痛みはないものの、
走るとその後痛みがなかなか引かないようです。
こちらに来られるオスグッドに罹った子の中では、症状としては軽度ですが、
大好きなスポーツを思いっきり楽しめないことは、とても辛いことですし、
そのままにしておくと、どんどん悪化していくので、成長期が終わるまで
だましだまし運動するのではなく、早めの対処が必要になります。
Sくんへの施術ですが、体に触れていくと太ももの筋肉もパンパンで、
股関節やお尻の筋肉も硬い傾向にありました。
膝を動かす筋肉は多くは股関節近くの骨盤を起点としているので、
オスグッドの子の多くはこの辺を柔軟にすることは、再発予防にもつながります。
httpstokyochiryouin.comより出典
他には、足首の動きも硬さがあり、Sくんに聞くと何度かねんざの
経験もありました。
足裏は3つのアーチで構成されていて、車のサスペンションの様に
足にかかる衝撃を分散してくれるはたらきがあります。
しかし、足首や足関節周りが硬くなるとショックを分散しきれず、
足関節や膝関節などほかの関節にも悪影響を及ぼすので、スポーツでは特に
メンテナンスの必要な部位とも言えます。
httpwww.saiseikai-mkj.jpより出典
そこで、Sくんには、自宅でできるセルケアを伝え、
膝の屈伸と押したときの痛みがゼロになったら、少しずつ動かす
ように伝えました。
Sくんは、サッカークラブのコーチに自分の膝の状態をしっかり伝え、
その言葉を聞いたコーチもSくんに無理をさせないようにしてくれたそうです。
サッカーでは体に負担をかけないようにしていましたが、
ある時、Sくんは、学校の教室で友達とつい追いかけっこをしてしまい、
膝が痛くなったことを、報告してくれました。
Sくんはショックを受けていましたが、それからは、今まで以上に
自分の体に負担をかけないように生活を過ごし、セルフケアを毎日欠かさず
続けたそうです。
その辺からSくんの中の治すスイッチがONになったようでした。
Sくんは一所懸命、膝のことやチームでの様子を私に話してくれます。
その真剣な表情と言葉から「本当にサッカーが好きなんだな。」ということと、
辛い経験ですが、自分に向き合ってしっかりその障害を乗り越えようとする
強い意思が感じられました。
そして、来院3回目で屈伸と押したときの痛みは、全く無くなりました。
それからは、徐々に練習に参加する復帰段階を経て、
来院4回目では、試合に途中出場できるようになりました。
その次には、「3試合すべてに出たけど、痛くありませんでした。」と、
少しはにかみながらも話してくれるSくんからは、言葉以上に、
サッカーが思いっきりできる喜びが体から満ち溢れているようでした。
ここまで膝が回復すると、来院の必要は無いので、
今後の予防のためにも、Sくんに股関節と足首のセルフケアを続けて
行うことを伝えました。
Sくん良かったね。これからもサッカーを思いっきり楽しんでください。
これからの活躍を楽しみにしています。
からだ は たから だから
ボデイケアたなか
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