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半月板損傷の手術はすべきですか?

私のところには、半月板損傷について相談が来ますが、

その中でも多いのが、「半月板損傷の手術をお医者さんから

勧められていますが、した方がいいでしょうか?」というものです。

 

病院では、問診や触診(動作テストなど)、MRIなどから、

半月板損傷の診断と手術の必要性を、お医者さんから説明を受けるそうです。

 

お医者さんが、手術が必要だと言うことは、状態が悪いことは確かです。

 

半月板は、膝関節(太ももの骨とスネの骨)にある三日月状の軟骨に似た組織で、

関節同士の衝撃を和らげるクッションの役割や、関節の動きを滑らかにする

役割があります。

半月板の手術が必要なのは、血管がほとんど通じておらず(1025%)、

 

損傷した場合、自然に治らないとされているためです。

httpswww.csnt.co.jpより出典 

httphospital.luke.ac.jpguide32_orthopedicsknee_meniscal_lesion.htmlより出典

 

でも、お医者さんから「手術が必要です。」といきなり言われたら

ビックするはずですし、悲しみや不安やいろんな感情が沸き上がって

気持ちが不安定になることでしょう。

 

相談される皆さんの様子をお聞きしても、そのような事が伺えます。

 

それなのに、今後の治療についてあなたはかじ取りをしなければならない、

という選択を迫られています。

 

不安を解消するためにも、いろんな情報を目にし、耳にします。

知り合いから手術をした方の話を聞いたり、インターネットの書き込みなどを

深夜まで見てしまうそうです。

でも、知れば知る程、迷いが生じてしまうそうです。

 

・手術を受けたら、嘘のように痛みがなくなった。

・以前の様にスポーツを楽しめるようになった。

 

・術後の後遺症に悩まされ痛みと脚にしびれを感じる

・術後また半月板を痛めてしまった。

 

手術は本当に治るの?痛みが増したら怖い、、、、

 

不安だけが募ってしまう。ということを話してくださいます。

半月板損傷の手術は進化している

手術の多くは関節鏡下で行われ、部分切除術または縫合術、

あるいはこれら2つの手技を組み合わせて手術をするそうです。

 

以前は半月板全切除術が行われていましたが、半月板を切除することで

将来的な変形性膝関節症のリスクが高まることが分かってきたため、

現在では、できるかぎり半月板を温存する半月板部分切除術が主に

行われきているようです。

 

関節鏡にて半月板の損傷の程度を確認し、小さな断裂や治癒しない部位の

断裂では、その部分のみを切除し(部分切除術)、治癒する可能性のある部位は、

断裂部を縫合(縫合術)するそうです。

 

手術器械の進歩もあり最近では縫合術の適用も増えてきています。

しかし外科手術には稀であっても予期せぬ合併症などが生じる可能性に

ついての説明もあります。

 

半月板損傷の手術は、日々進化していますが、少なからずリスクもあるので、

お医者さんには納得いくまで、お話をお聞きすることは大切ですし、

不安であれば、他のお医者さんに状態を診ていただくことも必要なのかも

 

しれません。

それでも術後に再断裂のケースもある

こちらに来られる患者さんの中には、半月板の縫合手術を受けた後に、

半月板を再損傷してしまう患者さんも来られます。

 

バスケットボールの女子の場合は、股関節に関わる筋肉に硬さが

顕著にありました。

 

膝関節は、図の様に蝶番の様な関節をしています。

わずかにひねることもできますが、その動きは、靭帯や半月板に負担を

 

かけてしまうため苦手な動きです。

httpswww.kansetsu-itai.comより出典

その苦手な捻り動作をカバーする一つが股関節です。

股関節で体のねじれを起こすことで、進行方向に膝を向けることができますが、

それができないと、膝にねじれが必要以上に生じてしまいます。

 

スポーツの場面では急速に方向転換をするようなカッティング動作は不可欠です。

股関節の動きに関わる筋肉が柔軟であれば、膝にひねりが加わることなく

 

体を方向転換できるのです。

httpswww.shikoku-np.co.jpsportsgeneralphoto.aspxid=20110409000412&no=1より出典  httpswww.toyoda-clinic.infobloginjuryanterior-cruciate-ligamentより出典

上の写真とイラストは股関節から方向を変えることで、股関節ー膝ー足のラインが

一直線になる。膝に負担とかけないカッティング動作。

 

しかし、股関節に関わる筋肉が硬い場合には、

 

膝に余分な力が加わってしまい半月板に必要以上の負担をかけてしまいます。

httpswivo-c.comarchivesより出典

上は、股関節ー膝ー足のラインが崩れ膝に負担が加わるイラスト。

 

バスケットボールの女子には、股関節を柔軟にする施術と

動作確認をしたうえで、セルフケアを伝えることで、

再手術をすることなくバスケットに復帰できるようになりました。

 

半月板損傷は結果であって、そうなってしまった原因に対処しない限り、

再発してしまう可能性があります。

 

ここでは、スポーツ選手を一例とあげましたが、普段の生活を送っている方でも、

同様に、知らず知らずに膝に負担をかけるような歩き方や、

 

座り方などの蓄積から、ある日突然、膝に痛み感じるケースもあります。

半月板に負担をかける原因に対処する必要性

膝関節は、蝶番関節なので、ドアが開閉するように、

膝を曲げる伸ばす動きは得意ですが、捻るような動きは苦手であることは、

先ほどお話ししましたが、他にも関節に負担をかける要因があります。

 

膝関節は、太ももの骨と、スネの骨の面が均等に合わさるとことで、

体の荷重を分散することができるのですが、関節面が偏った接地になると

 

半月板に負担をかけてしまいます。

上図は、O脚のイラストですが、外見では目立たなくれも、

均等に関節面が接していない場合があります。

 

 

その要因として考えられるのが、硬くなった筋肉です。

膝関節には、前後左右に股関節付近から大きな筋肉が膝周辺にくっ付きます。

本来であれば、均等に関節を動かすことのできる筋肉なのですが、

使い方のクセなどで偏った体の使い方をすることで、

前後左右の膝に関係する筋肉のバランスを崩すことが起こります。

 

そのことで、関節面が均等に接地することができなくなり、

一部の半月板に負担をかけてしまうことが生じてしまうことがあります。

 

半月板損傷でこちらに来られる患者さんを診ていくと、

多くの方が股関節から下半身にかけて、また体のひねり動作を司るような

体幹部分のどこかに筋肉の硬さがあります。

 

その硬くなった筋肉を柔軟にすることで、膝の関節面の負担が減り、

半月板を損傷していたとしても痛みが消えていく方は少なくありません。

 

再手術を勧められた方でも、筋肉のバランスを整えることで、

スポーツに復帰できることを考えると、手術という選択肢と同様に、

根本的な原因を解消していくことは、大事なことではないかと私は思います。

 

 

手術をする前にできることはまだあります

最初の話に戻りますが、

「半月板損傷の手術をお医者さんから勧められていますが、

した方がいいでしょうか?」と、尋ねられたら、

その方の状態にもよりますが、このようにお話しする場合は多いです。

 

「手術の前に、出来ることがあるので、やってみてもいいかもしれませんね。」と、

また、「手術をする場合も、された後でも、再発防止のためにも、

出来ることがあるますよ。」と、いうことをお伝えします。

 

相談をくださる方は、半月板の治療についていろいろ調べ、

その先の人生、将来のことも考えたうえで、中々答えが出せない

状態ではないかと思います。

 

大変なことだと思いますが、悩まれているという事は、

しっかり自分に向き合って、何とかしたい、「良くなろう」と、

真剣に思っている裏返しです。

 

だから、「良くなろう!」という気持ちがあれば大丈夫です。

 

“手術”と言われてしまうと、それしか目に入らないようになりますが、

しっかり考え決断することで、ご自身の中に“覚悟”ができると思います。

 

私のところに来られ、半月板損傷の症状が良くなる方の特徴としては、

治すことへの“覚悟”と自分の体への“責任”を持って行動できる方が多い

傾向にあります。

 

お医者さんから、「手術が必要です。」と言われても、

施術を受けることやセルフケア、体の動かし方を変えることで、

改善されることはあります。

 

手術と言われても選択肢はあり、

そのうえでご自身が選択されると良いと思います。

 

もし、今手術を躊躇し迷っていらっしゃるようでしたら、

お気軽に、お電話ください。

 

お伝えできることは、きっとあります。

今は、大変ですがあなたの決断と覚悟が、きっとよい未来を迎えることの

一歩になるはずです。

 

 

お大事に。

からだ  たから だから

ボデイケアたなか

 

Tel:090-8328-9834

〒392-0017

長野県諏訪市城南1‐2124‐4